住宅ローン控除、2026年入居で何が変わった?
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本記事のテーマは**「住宅ローン控除」という税制側の2026年改正**に絞っています。控除を受けながら繰上返済してよいのか、という組み合わせの悩みは繰上返済と控除のタイミングの記事、夫婦それぞれで控除を受ける借り方はペアローンの記事に分けているので、必要に応じてあわせてどうぞ。
2026年(令和8年)1月以降に入居する住宅から、住宅ローン控除のルールが大きく変わりました。制度そのものは2030年末まで5年延長されましたが、「省エネ性能」を軸に対象や金額が細かく組み替えられています。とくに新築で省エネ基準を満たさない住宅は、原則として控除がまったく受けられなくなった点は見逃せません。
「延長されたと聞いて安心していたら、自分の家は前より控除枠が減っていた」——こうしたズレが起きやすいのが今回の改正です。この記事では、2026年入居で何がどう変わったのかを、扶養する子どもがいる世帯とそうでない世帯の具体例を挙げながら整理します。
そもそも住宅ローン控除とは(おさらい)
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末時点のローン残高に控除率0.7%をかけた金額を、所得税や住民税から差し引ける制度です。新築の認定住宅などでは、最大13年間にわたって還付を受けられます。
ポイントは、適用されるルールは「契約日」や「引き渡し日」ではなく、実際に住み始めた入居日で決まるという点です。2025年中に入居すれば旧ルール、2026年に入居すれば新ルールが適用されます。年末の入居は数日の差で扱いが変わることもあるため、スケジュールには注意が必要です。
2026年入居で変わった4つのポイント
今回の改正で、実務上とくに影響が大きいのは次の4点です。
1. 省エネ基準を満たさない新築は控除対象外に
これが最大の変更点です。2025年4月以降、新築住宅には省エネ基準(断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上)への適合が義務化されました。これに合わせて、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」に区分される新築は、2026年入居分から住宅ローン控除の対象外となりました。新築を建てる・買う場合は、その家がどの区分に当たるかを事前に確認することが欠かせません。
2. 子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せは継続
一方で、負担軽減の措置も残っています。19歳未満の扶養親族(子ども)がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯は「子育て世帯・若者夫婦世帯」として、新築の借入限度額に上乗せがあります。認定住宅なら限度額5,000万円(それ以外の世帯は4,500万円)、ZEH水準住宅なら4,500万円(それ以外の世帯は3,000万円)が目安です。
3. 床面積要件が40㎡以上に緩和
これまで原則50㎡以上だった床面積要件が、2026年以降は40㎡以上に緩和されます。単身やDINKS向けのコンパクトな住まいでも対象になりやすくなりました。ただし、40㎡以上50㎡未満の住宅では、子育て世帯等であっても借入限度額の上乗せは適用されない点に注意してください。
4. 中古(既存)住宅は一部拡充
新築が絞られた一方で、既存(中古)住宅は認定住宅・ZEH水準で借入限度額や控除年数が引き上げられる方向です。中古を検討している人にとっては追い風になり得る変更です。
「延長された=誰でも今までどおり得する」ではなく、性能と世帯構成で明暗が分かれるのが2026年の制度だと押さえておきましょう。
新築の借入限度額を早見図で確認
新築住宅の借入限度額(2026〜2030年入居)を、住宅の性能区分ごとに整理すると次のようになります。金額は「子育て世帯・若者夫婦世帯」と「それ以外の世帯」で分かれます。
実例:子どもがいる世帯とそうでない世帯
イメージをつかむために、あくまで簡易的な計算例を挙げます(実際の控除額は所得税・住民税の額やローン残高で変わります)。
- 例1:夫35歳・妻32歳・子ども1人の世帯/ZEH水準の新築を購入 「子育て世帯」に該当するため借入限度額は4,500万円。年末残高が4,500万円あれば、その年の控除額の上限目安は4,500万円×0.7%=31万5,000円です。
- 例2:夫婦とも45歳・子どもなしの世帯/同じZEH水準の新築を購入 「それ以外の世帯」となり借入限度額は3,000万円。年末残高が3,000万円なら上限目安は3,000万円×0.7%=21万円。同じ家でも世帯によって差が出ます。
- 例3:省エネ基準を満たさない新築を購入 借入額がいくらであっても、原則として控除は受けられません。
同じ物件でも「性能」と「世帯構成」で控除の有無・金額が変わるのが2026年制度の実感しやすいところです。自分がどの区分に当たるか、まずは住宅の性能証明と世帯の条件を確認しましょう。
家計全体で見て「控除を最大限使うにはどの物件・どのローンが良いか」まで踏み込みたい場合は、住宅購入に詳しいファイナンシャルプランナーに一度整理してもらうのも手です。何を相談すべきか分からない段階の人は、無料の相談窓口から始めると気軽です。
今日からできる具体アクション
- 入居予定年を確認する:2025年入居か2026年入居かでルールが変わります。年末入居はとくに慎重に。
- 住宅の性能区分を確認する:新築なら「認定住宅/ZEH水準/それ以外」のどれか。パンフレットや不動産会社に性能証明の有無を確認しましょう。
- 世帯条件を確認する:19歳未満の扶養する子どもがいるか、夫婦どちらかが40歳未満か。該当すれば上乗せの対象です。
- 控除額をざっくり試算する:「年末残高(限度額まで)×0.7%」で毎年の上限目安が出ます。
- 必要なら専門家に相談する:ローンの組み方や繰上返済との兼ね合いまで含めて整理したい人は、FP相談を検討しましょう。
よくある質問
Q1. 2025年に契約して2026年に入居する場合、どちらのルールですか? 入居した年の制度が適用されるため、2026年入居なら新ルールです。契約日ではなく実際に住み始めた日が基準です。
Q2. 中古住宅を買う場合も省エネ基準を満たさないと対象外ですか? 新築ほど厳しくはなく、既存住宅は区分によって控除が受けられます。ただし要件はあるため、物件ごとに確認が必要です。
Q3. 「子育て世帯」の子どもの年齢は何歳までですか? 19歳未満の扶養親族(子ども)がいる世帯が対象です。加えて、夫婦のいずれかが40歳未満の「若者夫婦世帯」も上乗せの対象になります。
Q4. 災害の危険がある区域だと控除は受けられませんか? 2028年以降の入居分から、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」での新築(建て替えを除く)は住宅ローン減税の対象外とされる方針です。土地選びの段階から意識しておくと安心です。
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参考情報
- 国土交通省「住宅:住宅ローン減税」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
- 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
※最終確認日:2026-07-04。制度・借入限度額・要件は年度や住宅の性能で変わるため、最新の情報は必ず国土交通省・国税庁の公式サイトでご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。