フラット35が3.83%に、9月に申し込んだ人も対象
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住宅金融支援機構が10月1日に発表した10月のフラット35は、借入期間21年以上・融資率9割以下で最低年3.83%でした。9月の3.46%から0.37%上がり、2017年10月の現行制度開始以降で最も高い水準です(時事通信・日本経済新聞の報道)。
9月に申し込みを済ませた人も、資金の受け取りが10月なら3.83%が適用されます。 フラット35の金利は申込時ではなく、資金受取時の金利で決まるためです。借入3,500万円・35年なら、9月の金利と比べて毎月の返済は7,581円、総返済額は約318万円増えます。
この記事では、架空のモデル世帯を使って「引き渡し直前に金利が上がったとき、どこを見直せるか」を順に追います。金利の数値は2026年10月2日時点で確認したものです。
モデル世帯は9月申込・10月引き渡し
例として、次の条件の世帯を考えます。実在の家庭ではなく、計算のために置いた架空の設定です。
- 夫婦ともに30代、世帯年収600万円
- 新築マンション4,000万円、頭金500万円
- フラット35で3,500万円を借りる(融資率は87.5%で「9割以下」)
- 返済期間35年、元利均等返済、ボーナス払いなし
- 9月に申し込み、引き渡しと資金受取は10月下旬
この世帯は9月に申し込んだ時点で、9月の金利3.46%を前提に資金計画を組んでいました。ところが資金受取が10月にずれたため、適用されるのは10月の3.83%です。
フラット35の公式サイトは、金利の決め方に「申込時金利」と「実行時金利」の2種類があると説明しています。フラット35は実行時金利で、申し込んだ日ではなく、お金を受け取った日の金利が35年間固定されます。 受け取った後は返済終了まで金利が変わらない一方、受け取るまでは毎月の発表に左右されます。
0.37%の上昇で返済はいくら増えるか
モデル世帯の毎月の返済額を、9月と10月の金利で計算すると次のとおりです。元利均等返済の一般的な計算式で、手数料や団信の保険料は含めていません。
| 適用金利 | 毎月の返済額 | 35年間の利息の合計 |
|---|---|---|
| 3.46%(9月の最低金利) | 143,842円 | 約2,541万円 |
| 3.83%(10月の最低金利) | 151,423円 | 約2,860万円 |
| 差 | 月7,581円 | 約318万円 |
月7,581円は年間で約9万1,000円です。0.37%という小さく見える数字が、35年では300万円を超える差になります。
借入額が3,000万円なら、毎月の返済は123,293円から129,791円へ6,498円増えます。借入額が大きいほど、差も比例して大きくなります。
頭金が1割未満だと3.94%
モデル世帯がもし頭金を400万円未満にして融資率が9割を超えると、10月の最低金利は3.94%です(時事通信の報道)。たとえば3,700万円を借りると、毎月の返済は162,498円になります。
頭金を物件価格の1割以上にできるかどうかで、金利の区分そのものが変わります。 融資率は「借入額÷購入価額」で計算されるため、諸費用をどこまで借り入れに含めるかも区分に影響します。
家計から見た返済負担の目安
フラット35は審査の基準として、年収に占める年間返済額の割合(総返済負担率)を定めています。公式サイトによると、年収400万円以上は35%以下、年収400万円未満は30%以下です。
モデル世帯の年間返済額は、10月の金利で約181万7,000円です。総返済負担率35%に収めるには、世帯年収がおおむね519万円以上必要になります。9月の金利なら約493万円でした。
世帯年収600万円のモデル世帯は、基準の内側に収まります。ただし、基準の35%は「借りられる上限」であって、無理なく返せる額の目安ではありません。 手取りで見ると、年181万円は月15万円を超える支出です。教育費や車の買い替えが重なる年を想定しておく必要があります。
なお、審査で使う年収や負担率の扱いは取扱金融機関ごとに手続きが異なります。金利の上昇で計画が変わったときは、申し込んだ金融機関に確認してください。
引き渡し前に見直せる3つの手
モデル世帯が10月下旬の資金受取までに検討できる手は、次の3つです。どれも計算上の比較で、どれが正解かは家計全体の予定で変わります。
1. 頭金を足して借入額を減らす
9月と同じ毎月143,842円に返済を戻すには、10月の金利では借入額を約3,325万円にする必要があります。頭金をあと約175万円足せば、毎月の返済額は9月の計画と同じ水準に戻ります。
ただし、手元の現金を頭金に回しすぎると、引っ越し費用や家具の購入、急な出費に使えるお金が減ります。生活費の数か月分は手元に残す前提で、足せる額を決めてください。
2. 返済期間を短くする
返済期間を20年以下にすると、商品は「フラット20」になります。ダイヤモンド不動産研究所の集計では、10月のフラット20(融資率9割以下)の最低金利は3.51%です。
金利は下がりますが、3,500万円を20年で返すと毎月の返済は203,166円です。モデル世帯の年収では毎月の負担が重く、現実的な選択肢にはなりにくい計算です。金利の低さだけで期間を短くすると、毎月の返済で家計が回らなくなります。
3. 資金受取の時期を動かす
資金受取日は取扱金融機関が決めます。引き渡しを11月以降に延ばせば11月の金利が適用されますが、11月の金利が下がる保証はありません。フラット35の金利は3か月連続で上がっています(時事通信の報道)。
来月の金利を予想して引き渡しを動かすのは、賭けに近い判断です。 売主との契約で引き渡し日が決まっている場合、延期そのものができないこともあります。
変動金利に切り替えるべきか
金利が上がった月は、変動金利への切り替えを考える人も増えます。ただし、変動金利も上がっています。NHKの報道によると、10月から大手銀行3行が変動型の住宅ローン金利を引き上げ、固定金利は大手5行すべてが引き上げました。
変動金利は今の金利が固定より低くても、将来の利上げで返済額や利息が増える可能性があります。フラット35を選んだ理由が「35年間の返済額を確定させたい」だったなら、その理由は金利が上がった今も変わっていません。
モデル世帯のように手続きが最終段階まで進んでいる場合、ローンの種類を変えると審査のやり直しになり、引き渡しに間に合わないおそれもあります。切り替えを考えるなら、まず申し込んだ金融機関に期限を確認してください。
モデル世帯がこの1か月でやること
資金受取までの残り期間に、モデル世帯が進める順番は次のとおりです。
- 金融機関から届く金利確定の案内で、適用金利と毎月の返済額を確認する
- 頭金を足せる額を、手元に残す生活費と分けて決める
- 住宅ローン控除の見込み額も含めて、年間の手取りベースで返済計画を組み直す
- 教育費や老後資金の積立と並べて、毎月いくら回せるかを確かめる
返済額の計算までは自分でできても、教育費や老後資金と並べて「この返済で35年もつか」を判断するのは難しい作業です。引き渡し前に家計全体を一度見てもらう方法もあります。
金利は資金を受け取る日まで決まりません。申し込んだ月の金利で組んだ計画は、受取月の金利で一度引き直してから引き渡しを迎えてください。
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参考情報
- 金利の決定時期は?(住宅金融支援機構【フラット35】)
- 【フラット35】ご利用条件(住宅金融支援機構)
- 3カ月連続で金利上昇 フラット35(時事ドットコム)
- 2026年10月の住宅ローン金利(ダイヤモンド不動産研究所)
最終確認日:2026-10-02
※返済額は元利均等返済の一般的な計算式による試算で、実際の返済額は取扱金融機関の計算・手数料・団信の条件によって異なります。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。